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そう、そう、青年の環 野間 宏 [苦言]

今回の2ヶ月に亘る入院中、沢山の本を読みました。

気を紛らす、無聊を慰める読書なので、軽い娯楽小説です。

恩田 陸さん、森 博嗣さん、京極夏彦さん、ジョン・ダニングさん、田哲也さんの著作などを中心に、約60冊くらい。

1時間の外出許可をもらって病院の近くの宮脇書店に出かけたり、病室からAmazonさんに注文したり。

結構本代がかかりましたが、1日1万円弱の個室料金を払っているので、金銭感覚は麻痺しています(笑)。

 

ふと、昔読んだ、野間 宏さんの「青年の環」を読み返してみたくなりました。ブツは遠方の実家の奥深くにあるので、文庫本でまた買おうと思ったら、絶版なのですね・・・。

あれは、40年近く前、学生の頃に読んだのかなぁ・・・。

高校時代は、高橋和巳さんを愛読していて、その流れからか、野間 宏さんを読んでみることになったと思います。

高橋和巳さんが亡くなったのは大衝撃でした。

虚無的になりましたもの。

ジャイナ教徒にはならなかった。

 

そう、そう、青年の環。 河出の箱入り全五巻だったけ。

出たら即買い(笑)。

春休みに買ったかな?  買えて嬉しかった。

母親が、私が買った本のタイトルを見て、「せいねんの たまき」と言ったのを覚えています。

「否、これは、”たまき” という文字ですが、”せいねんの わ”と読むのですよ」と教えてあげました。

20歳前の戦後青年が読むには大物過ぎた気もしますが、喜んで読んでおりました。

しかし、いま思い出そうとすると、雰囲気は蘇るのですが、粗筋はとんと思い出せません。

また読みたい。

ネットで調べたら、文庫本の古本でも3000円を超えるので、買うのは勿体無い。

もっとも、このためだけに実家を訪れるともっとお金がかかって、これも勿体無い。

今度、盆・正月等で実家に戻った時に、そのついでに、気合を入れて捜索したいと思います。

学生時代は、月6万円(当時としては高収入です。授業料全額免除と日本育英会奨学金のお蔭で、可処分所得にできました。)のアルバイト代の8割方本代に充て、卒業時には数千冊の蔵書が実家に溢れていました。

連合王国の古本屋さんからとても安価な19世紀物も買っていたので、冊数が増えたということもあります。

だから、探索は容易でないと思いますが、家の中のどこかにあるはずです☆

  

余談ですが、中学生の頃、岩波講座「哲学」を定期購読していて、本屋さんが毎月届けてくれていました。当時の本屋さんはサービスがよかった。

しかし、田舎の凡庸な中学生に岩波講座「哲学」を理解できるはずもなく(汗)。

古代哲学や、哲学史はまだしも、現代哲学はについていけませんでした。

そのトラウマからか、大学の授業のサルトルも苦戦してしまいました。

私に哲学は向いていない(笑)。

私に論理学は向いていない(汗)。

 

最後に、真面目な話をしますと、岩波書店さん、ちゃんとしてくださいと言いたいです。

岩波文庫の供給状況を視ますと、

青年の環 1 在庫僅少 

青年の環 2 品切重版未定 

青年の環 3 品切重版未定 

青年の環 4 在庫僅少 

青年の環 5 品切重版未定 

こんな無責任な本屋さん・・・。

新しい読者が、全五巻のうちの第一巻と第四巻だけを買うわけがないでしょ。

「岩波文庫は、1927(昭和2)年、「万人の必読すべき真に古典的価値ある書」を低価格で広く普及することを意図して発刊されました。」

よく言えるものです。

私の中学、高校時代、岩波書店と筑摩書房は日本出版界の良識と思っていました。

両社のPR誌、「図書」と「ちくま」は私の最良の情報誌、愛読誌でした。

今も在るのですね。

岩波書店さん、目を覚ましてください。


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