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読み返す、と言えば ドグラ・マグラ♪ [本]

つい先日、昔読んだ「青年の環」(野間 宏 著)を何故だか急に又読み返したくなり、オークションにて1000円ほどで文庫本を獲得しました。

手元には未着ですが。

一方、今、京極夏彦さんの「関口巽 探偵譚」シリーズの三作目、「狂骨の夢」を読んでいる処ですが、昔読んだ「ドグラ・マグラ」(夢野久作 著)を何故だか急に又読み返したくなりました。

「青年の環」(野間 宏 著)は、約40年(弱)前、大学生の頃にハードカバー五巻セットで一度だけ読みましたものです。

   

「ドグラ・マグラ」(夢野久作 著)は、先ず40数年前、高校生の時に、復刻版夢野久作作品集のような体裁のものの「ドグラ・マグラ」の巻を読みましたものです。

此れは経緯があって、普段其れ程親密ではなかった級友のⅠ君が、自分が買った復刻版夢野久作作品集の「ドグラ・マグラ」の巻を、面白いぜ読み給え、の態で強引に貸して呉れたものなのです。

Ⅰ君は医者の息子で、級内で其れなりの存在感を持っていました。

復刻版の基となった夢野久作の作品集の本物は、当時通っていた高等学校(前身は立花藩の藩校)の別館書庫に収蔵されているが、生徒には貸し出されないという未確認情報もありました。

抑々、別館書庫の収蔵物は貸し出されないのです。

尤も、詳しい事情は忘れましたが、私は何度か、その窓の無い、大きな土蔵のような別館書庫に入館(入庫?)したことがあるように記憶しています。

其れはさて置き、Ⅰ君は、其の様な話をしつつ半ば強引に復刻版夢野久作作品集のような「ドグラ・マグラ」の巻を貸して呉れました。

私は、何で彼が唐突にこんな貴重な本を私に貸して読ませようとしているのか、不思議でしたが、今思えば、私自身単なる貧乏人というだけでなく、風采(学帽を被って通学しているのは、全校1500人中私だけ)や、奇妙な読書傾向から、私にこの奇妙な書物を読ませたいという純粋な知的好奇心(私がどう反応するのか、どう変化するのか、どうなるのか)からの行動であったのでしょう。

家に帰って読み始めましたが、不安定で珍妙で怖くて馬鹿げていて空恐ろしくてユラユラと自我が崩壊しそうに面白い。

でも、高校生が書淫で徹夜するわけにもいかないので、12時頃には中断して寝なくてはならない。

此れが実に怖かったとです。

眠ったらそのまま発狂するという身に迫った恐怖です。

間違いなく気が狂う。

眠ることを暫し逡巡しつつ・・・。

   

でも、眠りました。眠いので・・・。

翌朝、正常に目覚めました。

いやぁ?

本当に正常か?

何処か(脳内?)変になってないか?

正常と思っていること自体がおかしくないか?

とは、チラッと思いつつも、激しく打ち消す。

  

何とか二日かかって読了しました。

気分というか、モードは十分に経験しつつ、作品を能くは理解していなかった(読み判じてはいなかった)が、大切な本なので約束通りに二日で返したのです。

感想を聞かれ、手短に答えました。素っ気無いのが私の特徴です。

   

其れから20年後、私は、奇遇にも「ドグラ・マグラ」の舞台ともなった旧九州帝国大学に関わる仕事をしており、突然、「ドグラ・マグラ」を読み返してみたくなりました。

今度は、文庫本(一冊もの)を自分で購いました。

只、今度は、仕事は多忙を極める中の読書であったため、十分に浸りきることができず、唯筋を追った、という一寸不全な読書体験でありました。

恐怖感も不安感もありません。

  

其れから20年後の今、またまた私は突然、「ドグラ・マグラ」を読み返してみたくなりました。

此れは今も文庫本で流通しているのですね。

角川文庫で二分冊か・・・。

装丁というか、表紙のイラストが酷いですね。

作品への冒涜ですらあるような品の無い絵。

否、此の絵でも内容と齟齬がなければ良いのです。

しかし、此の場合、内容と乖離し過ぎています。

之の文庫本は買えないと思いました。

私にも美意識乃至良識というものがあります。

面倒ですが、自宅に帰って、20年前に読んだ文庫本を探したほうが賢明なようです。

「青年の環」は実家に在る筈ですが、「ドグラ・マグラ」は自宅に在る筈です。


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makimaki

訪問しました
by makimaki (2014-04-10 14:55) 

oosumidream

☆makimakiさん♪
ご訪問、ありがとうございます。
細かい処は覚えていませんが、冒頭の「音」、そして物語の終わりが冒頭であることは忘れようもありません。
私は、異常に面白いだけでなく、非常に優れた作品だと思っています。
by oosumidream (2014-04-11 20:35) 

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