SSブログ

井戸や竈(くど) [地域情報]

実家には、座敷の仏壇とともに、居間の高所(その部分が1.5mほど天井が中二階ふうに高く穿たれていました。

そして、仏壇と同じように(同じ形式ということではなく、同じ程度の敬意と信仰心を持って)朝な夕なにお供え物をし、拝んでいました。

30年ほどまえに家を修復した際に、これを取り外して天井をフラットにしてしまいました。

私は、これが気になって仕方がない。

気になると言えば、井戸。

実家は室内に井戸があるのです。

まだ枯れてはいなくて水を汲み上げてはいるのですが、釣瓶や手動ポンプではなく電気揚水機を使っており、水道の態をなしています。

室内にあること自体がちょっと気になっています。

使わなくなる時には、きちんとしたクロージングセレモニーをやらなくてはいけないと思っています。

居間はかつては土間で、同じ空間に、井戸、風呂、炊事場、竈(くど)がありました。

井戸は水の神、竈は火の神、風呂は両方?

いや、竈は荒神様ですね。

竈は大きいのが二つ、小さいのが一つ、横一列にくっついていました。

木の薪ではなく、麦藁を焚くので、基本的に付きっきりです。

ですので、腰を下せるよう、竈の正対80mほど後方に、腰掛けふうに土間の土が盛り上がっていました。

竈から煙突。

風呂からも煙突。

井戸で地の水脈とつながり、二つの煙突で空につながり、ある意味ワイルドです。

冬場は、室内で煮凝りができていましたものね。

台所の汲み置きの水は、表面が凍ります。

筑後ではそういった風習や造りは、あっという間になくなってしまいました。

私の実家だけでなく、全ての家がそのように変貌しています。


コメント(0) 
共通テーマ:住宅

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。