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路上の椿事☆ [暮らし]

いつぞや、散歩中に、炎天下の路上に倒れたお爺さんを見つけて要らぬ世話をしたことがありました。

あの時は、救急車よりも警察を呼んだほうがいいと判断し、警察に連絡したところ、その到着前に、通りかかった身内の方(実のお兄さん)が保護して連れて行かれました。

きょうは、マンションを出てすぐでした。

マンションの敷居に座っているお婆さんに、こんにちはっ! と元気に挨拶して出かけようとしたら、話しかけられました。

「◇◇町支店はどこ?」

「え? 銀行の支店ですか? そこにもありますよ(指差して)。」

「いや、銀行ぢゃなくて、家に帰りたい。」婆さんは、ちょっと耳が不自由らしくて、ここに至るに5、6回大きな声で繰り返している、以下同様[たらーっ(汗)]

「家? じゃあ、おうちはどこですか?」

「◇◇町の△△マンション。」

「△△マンションだったら、この道を真っ直ぐ南に行ったら、左側にありますよ。」

「ここを真っ直ぐ? ここを真っ直ぐ?」

「そうです。あそこに見えているでしょう? あれが△△マンションですよ。」

「ここを真っ直ぐ? 」

「歩けますか? 一緒に行きましょうかね♪」

「一緒に来てくれる? 」

「一緒に行きますよ。 」

「忙しかろう? 」

「暇です[わーい(嬉しい顔)] 」(嘘です。本当は、相当忙しいです[あせあせ(飛び散る汗)]

 

というわけで、座っているお婆さんが立ち上がるのを手伝い(これがまた大変だった。手を持つだけでは立ち上がれない。)、ゆっくりと歩き出す。

でも、杖はついているけど、とてつもなく遅い。

歩けていない、とも言える。どうやってここまで歩いて来れたのだろう?

誰かが車に乗っけて、ここで降ろしちゃったのかな?

 

自分の車で、とも思ったが、お婆さんをここに放置して、離れた駐車場に行くのも怖い。だいたい、ガチガチのあの車、たーまっくスペシャルには頑健な「野郎」しか乗せられない。

というわけで、たまたま通りかかってくれたタクシーを止めて乗り込む。

「近くで済みませんが、お年寄りが歩けませんのでお願いします。」と言って乗せてもらう。

お婆さんが、「お金は持ってません・・・。」と言って、乗るのを拒む。

既に乗っている私が、「お金は私が持ってるから大丈夫ですよ♪」

500mほど走ると、目的のマンション。

私が、お釣りは要りません、と言おうと思って千円札を出しかけると、運転手さんが、「こんな時にお金はいただけません。」と。

「いや、それはいけません。」と私。

でも、結局、この運転手さんの熱意あるご好意に甘えて、お金は払いませんでした。

この運転手さんは、きっと幸せな生涯を送られることでしょう☆

 

「ところでお婆ちゃん、おうちの人はいるの?」

「おらん。一人暮らしたい・・・。」

「じゃあ、部屋の鍵は大丈夫?」

「鍵は、管理人さんに預けとる。」

(再度書くが、ドブは大声で3回ずつ同じことを繰り返してしゃべって、どうにか会話が成り立っている。)

で、管理人室に行くと、鍵がかかっている。

普通、管理人さんは土日はいないことが多いが・・・。

 

このマンションの住人らしき人たちが何組か帰って来たので訊いてみると、やはり、きょうは管理人さんはいない。

困った。

みんな同じマンションの住人なのに、関わってくれない。お婆さんの言ってる部屋と同じ階の人たちがいて、お婆さんが、「ちょっと待ってて。」と言っているにも関わらず、エレベーターで上がって行ってしまった。

でも、その後、世話好きそうな(失礼[わーい(嬉しい顔)] 大変好意的に言っているのです。)方が帰って来て、管理組合の理事長さんに連絡を取って、鍵を開けてくれることになって一件落着。

部屋の鍵は、別に住む弟さんに預けちゃっていたらしいです。そのあと、ケンカでもしたのかな?大丈夫?

で、お世話してくれた住民の方々、妙な風体の私を見て、

「で、あんた誰?」 [眼鏡] [眼鏡] [目] [目] [目]

あえなくドブは、老人誘拐の容疑にて御用となったのであった。

いや、その誤解はすぐに解けました。


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