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窮鳥懐に入れば・・・ [暮らし]

今日は朝の8時から会議。

なんで私が、こんな重要な会議の、陪席ではなく正規メンバーなのか理解に苦しむ。

課長如きで正席に着くは唯独り我のみ。

であって、かつ会議担当という怪奇さ。

 

さて、そういうことで、4時半に起きて、腹筋を済ませ、ラン出勤で7時過ぎに職場着。

準備を済ませ、暗い会場階に上がると、闇に蠢く妖しい影。

部長でした。

わし:「ど、どぎゃんなさったとですか?」

ぶちょ:「いずくより来たりしものぞ、鳥の迷い込みし也。」

わし:「へぎ?」

ぶちょ:「捕らえよ。捕らえたる後にぞ解き放て。」

わし:「ふぉご!」

ほとんど真っ暗な廊下を、小鳥を追って右往左往♪

実は、暗くて見えてはいなくて、ただ部長や部下の、あっち、とか、こっち、とか、そこそこ、とかいった声に踊らされているだけ。

小鳥の動きが素早くて、この老体付いてはゆけぬ。

しかし、ついに我が眼(まなこ)で捉えたる仄かな陰影。

しかとは見えねども、怯え慄く、愛らしくも儚き小鳥の姿に違いなく。

 

わしは、右ポケットからハンカチを取り出し、宙に投げる。

ヒラヒラとハンカチは落ちて小鳥を覆い隠す。

ハンカチでそっと小鳥を包む。

握り潰すことのないよう、柔らかく緩く。

小鳥は、もがき暴れもせず、それどころか死んだかの如く、ぴくりとも動かず。

傷付いていたのか?

ハンカチに驚きショック死したか?

ハンカチで窒息死したか?

いや、掌の中には生命を感じる。

1階で解き放とうと階段を降りかけるが、会議が始まると部長に制止される。

覚悟を決めて、3階の廊下の窓から解き放つことにする。

落ちらば許せ、とばかりにハンカチを開くと、

アラ不思議!

小鳥は元気よく羽ばたき、青空に飛び去ってゆきました。

祝着至極のめでたし也。

窮鳥懐に入れば猟師も殺さず、と巷に言ふが、

漁師殺さずと見れば、窮鳥懐に入るの心也。


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