柴田錬三郎の最高娯楽作「人間勝負」1,486円、奥付まで入れて1000頁♪ [本]
2014年の3月、長崎大学病院に入院中に購入しおき、「人間勝負」。
分厚いので、入院生活の無聊を慰めるのにちょうど良いと購入したものの、その直後に退院し、結果、積み置きし大冊なのです。
また、入院しそうなので、その時にでも読めばよかったのですが、魔が差したというべきか、ついつい手を出し、あろうことか、読了してしまいました。
奥付まで入れると、丁度1000頁。
Amazonのカスタマーレビューに、
「長い長すぎる いろんなものを盛り込もうとしすぎて冗長すぎる。
途中で飽きた。」というものがありましたが、私の読後感は全く別。
「長い長すぎる いろんなものを盛り込もうとしすぎて冗長すぎる。
途中で飽きた。」というものがありましたが、私の読後感は全く別。
とても面白かったし、あと1000頁あっても長くは感じなかったろうと。
もう終わっちゃった?と、残念な感じさえしましたが、その余韻が大事なのかも。
事実、登場人物は多士済々、筋書きは波乱万丈、歴史上の出来事の叙述は嘘か実かは知らねども濃密充実出血大サービス、武闘、戦闘、死闘雨あられ。
歴史上の人物も、これでもか、これでもか、と沢山出てきます。
たぶん、作中の戦闘死亡者数は、何万人と戦死する戦さ物はいざ知らず、武芸もの、忍者物としては世界最高。
それだけ夥しい殺戮が展開しても、山田風太郎の武芸もの、忍法帖とは一味違った清々しさ、爽やかさ。
巻を措く能わず、とはまさにこのこと。
巻を措く能わず、ではありますが、作者の章建ての巧みさ、場所と話題転換の上手さにより、後ろ髪引かれることなく、定時に書を閉じ眠りに就ける、作者の手練手管の見事さ、感服します。
そう、登場人物には、生き残る人もあるわけです。
良い読後感、希望に溢れた読後感が残ります。
たったの1,486円(税抜き)でこの贅沢。
読書の悦楽は、何物にも代えがたく、まったく堪えられませんね。
装丁の絵だけを見ると海洋物のように見えますが、大半は陸上の出来事です。
船旅は、最後あたりに少し出てくるのと、主人公たちの将来の示唆です。
誤解の無きよう。
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